パン作りにおいて砂糖は、甘みを加えるための材料という印象を持たれやすい存在です。
しかし実際には、発酵の進み方や焼き上がりの色合い、食感の安定性にも関与しています。
砂糖の役割を正しく理解することで、家庭でも仕上がりの差を感じやすくなります。
特に、忙しい中でも手作りにこだわりたい方にとって、材料の特性を知ることは、発酵や焼成の失敗を減らすうえで役立ちます。
本記事では、パン作りにおいて砂糖が果たす役割や使い方の考え方について解説します。
目次
砂糖はパンにとって「ただの甘味料」ではない
パン作りにおける砂糖の役割は味付けだけにとどまりません。
生地の発酵を助け、焼き色や食感の形成にも関与するため、甘くないパンであっても少量の砂糖が使われることがあります。
砂糖はイーストの栄養源となる
パン作りで使用されるイーストは、糖類を利用して発酵を行います。
発酵の過程で発生する炭酸ガスが生地を膨らませ、パン特有の内部構造(クラム)を形成します。
小麦粉に含まれるでんぷんは工程中に糖へ分解されますが、砂糖を加えることで発酵初期のイーストの働きが助けられ、生地の立ち上がりが安定しやすくなります。
砂糖がパンにもたらす主な効果
焼き色がつきやすくなる
砂糖を含む生地は、焼成時に褐変反応が起こりやすく、自然で均一な焼き色がつきやすくなります。
食感と水分保持への影響
砂糖には水分を保持する性質があり、生地の乾燥を抑える働きがあります。
その結果、焼き上がりがしっとりとし、時間が経過しても固くなりにくい傾向があります。
基本的な使用料の目安
一般的な家庭製パンでは、小麦粉に対して砂糖5%前後がひとつの目安とされています。
例えば、小麦粉200gに対して砂糖10g程度です。
甘みを強く出さない配合でも、少量の砂糖を加えることで、発酵初期の進行が安定しやすくなります。
砂糖を入れすぎた場合の影響
砂糖の量が多すぎると、生地中の浸透圧が高まり、イーストの働きが弱まることがあります。
その結果、発酵が十分に進まず、ボリュームの出にくい仕上がりにつながる場合があります。
砂糖なしでもパンは作れる?

砂糖を使わずにパンを作ることは可能です。
その場合、小麦粉由来の糖を利用して発酵が進むため、発酵時間が長くなる傾向があります。
甘みを抑え、小麦本来の風味を生かしたパンに仕上がる一方で、生地管理や発酵状態の見極めが重要になります。
また、砂糖の代わりにモルトシロップやモルトパウダーを少量添加する製法もあり、発酵の補助や焼き色の調整を目的として使われることがあります。
砂糖の種類と使い分け
グラニュー糖
グラニュー糖は欧米で一般的に使われている砂糖で、欧米には日本特有の上白糖はほとんど存在しません。
そのため、海外のレシピや原書では、基本的にグラニュー糖を前提として配合が組まれています(国や地域によって違いはあります)。
グラニュー糖は、クセの少ない甘味を持つ砂糖で、パン生地の風味をすっきりと仕上げたい場合に向いています。
バターなど他の素材の風味を生かしたい場合にも用いられます。
上白糖
一方、上白糖は日本の家庭に常備されていることが多く、家庭製パンでも使いやすい砂糖といえるでしょう。
グラニュー糖に比べて保水性が高く、生地がしっとりと仕上がりやすいほか、こくのある甘味が加わり、焼き色もつきやすい傾向があります。
海外レシピを再現する場合や、仕上がりを調整したい場合には、砂糖の種類による甘味や水分保持の違いを理解し、配合や分量を細かく調整することが重要です。
仕上がりの食感や風味に合わせて、砂糖の種類を使い分けることが大切です。
作業を安定させるための工夫

こね不足や発酵ムラを防ぐためには、こねる時間や発酵温度を一定に保つことが大切です。
加えて、パン作りでは材料を正確に計量することが、仕上がりを安定させるうえで欠かせません。
特に砂糖は、種類によって甘味の感じ方や生地への影響が異なるため、分量のわずかな違いが仕上がりに直結します。
目分量ではなく、グラム単位での計量が基本となります。
砂糖の分量調整やレシピの再現性を高めるためには、0.1g単位で計量できるスケールがあると安心です。
用途や作業スタイルに合わせて計量器具を選ぶことで、日々のパン作りがよりスムーズになります。
また、パンこね機や発酵器などの機器を組み合わせて使うことで作業工程の再現性が高まり、計量から発酵までの流れを安定させやすくなります。
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おわりに
本記事では、パン作りにおいて砂糖が果たす役割や使い方の考え方について解説しました。
パン作りにおいて砂糖は甘み付け以上の役割を担っていますが、砂糖なしの配合でも工夫次第でパン作りは可能です。
適量を理解し、目的に応じて調整することで仕上がりは大きく変わるため、パン作りの幅が広がることでしょう。ンを継続できるでしょう。